About

カスチョールの会について

「カスチョールの会」は隣国ロシアの児童文学、文化の研究・紹介と同分野における国際交流を目的として設立された非営利の団体です。
「カスチョールの会」は、田中泰子(大阪外国語大学名誉教授)を中心に、日本で唯一のロシア児童文学・文化を研究する会として、1991年に発足しました。

カスチョールとはロシア語で焚き火のことです。
「焚き火の上を飛び越えるとしあわせになる!」というロシアの言い伝え、「森は生きている」で暗い冬の森の中に継娘が見つけた明るく暖かい火、「2歳から5歳まで」の著者チュコフスキーが毎年子どもたちのために自分の庭にたいた焚き火、日本の童謡「たきび」―これらのイメージが合わさって、私たちの「カスチョール」に火がつきました。

子どもの豊かな文化のために

日本の近代文学はロシア文学の影響なしには考えられなかったし、黒澤明氏、手塚治虫氏、高畑勲氏、宮崎駿氏もロシア文化から多くのものを享けていますが、残念ながら現在の日本の文化はまだまだ大きく欧米に偏っていて、日本人の多くは隣国ロシアのことをほとんど知りません。私たち「カスチョールの会」は、日本の子どもの豊かな文化を考える際に、ロシアの経験の中から最良のものを選び、紹介する仕事を自分たちの使命としています。

日本の近代文学はロシア文学の影響なしには考えられなかったし、黒澤明氏、手塚治虫氏、高畑勲氏、宮崎駿さん氏もロシア文化から多くのものを享けています が、残念ながら現在の日本の文化はまだまだ大きく欧米に偏っていて、日本人の多くは隣国ロシアのことをほとんど知りません。私たちカスチョールの会は、日本の子どもの豊かな文化を考える際に、ロシアの経験の中から最良のものを選び、紹介する仕事を自分たちの使命としています。

「カスチョールの会」の主な活動は、ロシア児童文学・文化の研究誌・情報誌「カスチョール」を年に1冊発行することです。
また、日本ではロシアものの出版が あまりにも少なく、必読作品の邦訳もありませんが、その状況を少しでも補えたら、と、2001年から翻訳集「アグネブーシカ」の発行を始めました(現在第 6号まで)。カスチョール(焚き火)の中から出てきたので、アグネブーシカ(火の子ちゃん)と名づけました。

大きくなる焚き火の輪

1991年に「カスチョール」創刊号を出してから、あっという間に20余年が過ぎました。創刊号では100部だった発行部数は、今や1000部を超えています。ふと気がつくと、私たちの火にあたりに来ている人、小枝や栗、お芋をもってきてくれる人の輪は大きく膨れ上がっていました。初め3人だった賛助会員は今や100人を超えています。

2010年1月、芥川賞作家の三木卓さんが「カスチョールの会」の名誉会員になってくださいました。
三木さんは高校生の頃から田中泰子の父・故高杉一郎さんと文学を通じて交流があったほか、「カスチョール」の長年の読者でもあります。考えてみれば、カスチョールには会発足以来ずっと、「ロシア児童文学・文化を通して日本の子ども文化を考える」という私たちの理念に賛同し激励して下さる先輩方がおられました。
そのおひとりである加藤周一さんの言葉「すばらしい仕事です。大勢に抗して、日本国の中にいまなお生きている文化と良心の証拠のような印象を受けました」を思い出すと、「いい仕事をしなければ」と身が引きしまります。

takibi

田中泰子
東京に生まれる(1938)
1965年 モスクワ友好大学文学部卒
1967年~2003年 元大阪外国語大学(現大阪大学)ロシア語科で教鞭をとる(大阪外国語大学名誉教授)
1998年~2008年 梅花女子大学児童文学科で非常勤講師(ロシア児童文学)を務める
1991年~ ロシア児童文学・文化研究会「カスチョールの会」主宰
2012年 ロシア国家賞プーシキンメダル受賞

Яско Танака
Родилась в г. Токио в 1938г.
1965г. Окончила гуманитарный факультет Университета Дружбы Народов в Москве
С 1967 по 2003г. работала на русском отделении Осакского Государственного Института иностранных языков
С 1998 по 2008г. работала почасовиком в Баика женском институте на кафедре детской литературы , читала лекции об истории детской литературы в России.
С 1991г. руковожу группой «Костёр», которая занимается детской литературой и культурой в России.
В 2012г. в Кремле была вручена Пушкинская медаль «За большой вклад в развитие культурных связей с Российской Федерацией, сохранение русского языка и культуры за рубежом»

                 (写真 安彦幸枝)